Q20.退職金が支払えない場合でも、従業員を解雇できますか?

A.退職金を支払えない場合でも解雇することは可能です。

解雇の可否と退職金支払いの有無は関係がありません。

会社の破産の場合、最終的には従業員全員を解雇することになります(民法第631条)。

解雇には解雇予告が必要ですが、退職金の支払いについては解雇の条件ではありません。

「解雇予告」とは、労働基準法(第20条)の規定に基づくもので、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならず、30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない」と規定されています。

また、退職金が支払えなくても解雇はできますが、退職金規定があれば、当然会社の支払い義務は存続します。

「退職金」とは、退職を機に支払われる一時金で、労働協約、就業規則等で、それを支給することや支給条件が定められている場合において、労働者は労働基準法上の賃金として、退職金の支払いを請求することができます。退職金規定が無い場合には、退職金は出ないのが原則です。

ただ、そうした場合も、支払い実例があり、かつ、一定の方法により算定されていたような場合には、慣行があったとして、退職金の請求をできることもあります。

解雇の際に支払われなかった退職金は、未払給与等とともに、破産手続きの中で従業員が請求していくことになります。

また、独立行政法人労働者健康福祉機構による未払賃金立替制度(企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度)を利用することができる可能性もあります。

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