企業倒産の最新動向|2026年5月は件数減少も負債増加…弁護士が解説する対応策

東京商工リサーチ TSR速報によると、2026年5月の全国企業倒産件数(負債1,000万円以上)は780件で、前年同月(857件)比8.98%減となりました。一方、負債総額は1,211億9,900万円で、前年同月(903億8,900万円)比34.08%増となっています。

件数は減少したものの、負債総額は大きく増加しており、大型倒産の増加が全体に影響している点が特徴です。

1.倒産動向の特徴

2026年5月の倒産動向には、次のような明確な特徴があります。

  • 倒産件数は6か月ぶりに前年同月を下回る結果となりました
  • 負債10億円以上の倒産は22件(前年同月10件)と大幅に増加しました
  • **負債1億円未満は585件(構成比75.0%)**と今年最小の割合となりました
  • 倒産の約90.2%が従業員10人未満の企業でした
  • 中小企業の倒産は**15か月連続で全体の100%**を占めています

これらのデータから、小規模事業者を中心に経営基盤の脆弱化が進んでいる状況がうかがえます。

2.倒産の主な要因

近年の企業倒産には、複数の経済要因が複合的に影響しています。

(1)金利上昇による影響

貸出金利の上昇が続き、企業の利払い負担は着実に増加しています。これにより、収益性の低い企業を中心に資金繰りが悪化しています。

(2)物価・資源価格の高騰

ナフサをはじめとする石油関連製品の価格上昇や供給不安が、製造業や運輸業等のコスト増加につながっています。

(3)人手不足と人件費増

  • 「人手不足」関連倒産:37件(前年同月23件)
  • うち「人件費高騰」:19件(前年同月8件)

人材確保の困難化と人件費上昇が経営を圧迫している実態が明らかです。

(4)物価高倒産の増加

「物価高」関連の倒産は64件(前年同月45件)で、6か月連続で前年を上回る状況が続いています。

3.業種別・地域別の動向

(1)業種別

  • サービス業他:253件(構成比32.4%)と最多
  • 情報通信業:45件(前年同月比28.5%増)
  • 小売業:94件(同14.6%増)
  • 運輸業:35件(同9.3%増)

一部業種では倒産が増加傾向に転じている点に注意が必要です。

 

2026年5月 産業別倒産状況

主要産業倒産件数推移

主なサービス業他 倒産状況主なサービス業他 倒産月次推移

出所:東京商工リサーチ

 

(2)地域別

  • 増加:北陸(28件、+47.3%)、四国(20件、+17.6%)、九州(77件、+8.4%)
  • 減少:関東(294件、▲7.8%)、近畿(183件、▲13.6%)など

地域によって倒産の増減にばらつきがある状況です。

 

 

2026年5月 都道府県別倒産

出所:東京商工リサーチ

4.今後の見通し

足元では倒産件数は減少していますが、金利負担の継続的な増加や、物価・エネルギー価格の高止まり、中小企業の資金余力の低下といった要因から、今後は倒産が再び増勢に向かう可能性が高いと指摘されています。

5.企業に求められる法的対応

企業の経営が厳しくなる中では、早期に弁護士へ相談し、再生か清算かの方針を適切に判断することが重要です。再生可能な事業や資産を見極め、民事再生や事業譲渡などを活用することで、事業継続や再スタートの可能性を高めることができます。やむを得ず破産を選択する場合でも、負債整理により再出発の環境を整えることができ、迅速な対応が経営者や関係者の負担軽減につながります。

6.まとめ

2026年5月の倒産動向は、件数こそ減少したものの、負債総額の増加や大型倒産の発生により、企業を取り巻く環境の厳しさを示しています。特に中小企業では、金利・物価・人件費の三重苦が続いており、今後も予断を許さない状況です。

こうした局面においては、問題が深刻化する前に弁護士へ相談し、適切な法的対応を講じることが重要です。早期の対応が、事業継続や損失の最小化につながります。

 

資金繰りや経営に不安を感じたら、早めにご相談ください

企業倒産は、資金繰りの悪化が表面化してからでは、選択できる手段が大きく制限されてしまいます。
しかし、早い段階でご相談いただくことで、

  • 事業継続を前提とした再生手続(民事再生・私的整理)
  • 金融機関との交渉サポート
  • 事業譲渡による再建
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など、状況に応じた柔軟な対応が可能になります。

当事務所では、中小企業・オーナー経営者の皆さまからのご相談を多数取り扱っております。
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