適切な廃業時期を選択し、解決した事例
業種:広告業
負債総額:約1億円
債権者数:約20名
キーワード:【原状回復】【多額の個人保証】
ご依頼の背景
老舗の広告業を展開していたが、広告のデジタル化に伴う、クライアント企業の予算減があり、構造的に収益確保に課題があった。その中で、コロナ不況ー緊急事態発令に伴う人流の抑制などがあり、借入金の返済の見通しが立たなくなった。
一時はコロナ融資でしのいだものの、それも上限に達し、廃業を決意した。
関係者も多いことから、どのような段取りで行うべきか、多額の個人保証債務をどうするかが検討事項であった。
担当弁護士の所感
1 原状回復義務
法人の清算(破産)は、会社の義務をすべて消滅させる必要が原則としてあります。
「通常の債権」(借入金・未払金・税金等)は、破産手続完了によって、消滅することで通常処理されます。
ただし、「原状回復義務」は、特殊な義務で、「物理的な撤去義務」であり、これが完了しない限り、破産手続きは、原則として完了しません。
多額の引継ぎ予納金があれば、破産手続きの中で工面されることもありますが、そうでない場合は、「社長が自分で行うか、自分の費用で行ってください」と言われてしまいます。従いまして、「原状回復を完了すること」が、その後の手続きをスムーズに、スピーディーに進めるうえでも、非常に重要です。
本件では、こういったルールもふまえ、適切に廃業手続を実施し、無事解決に至りました。
2 連帯保証債務
事業年数が多く、負債が多い程、社長個人の連帯保証も多額に及んでいるケースも少なくなく、同時に対処することが通常です。本件では破産手続きによって負債を処理し、リスタートを実施いたしました。
関連する記事はこちら
- 個人事業主としてフランチャイズの加盟店事業を行っていた事例
- 介護事業所の破産事例
- 代表者が地方居住者である法人の破産
- 設備投資するも売り上げが見込みを下回り、廃業した事例
- ノンバンクから借り入れを行っていた事例
- 個人事業形態で居酒屋(店舗型)の経営をしていた事例
- 大手コンビニフランチャイズを複数店舗経営していた事例
- 複数の会社を経営していた場合の事例
- 代表者が海外居住者の事例
- 共同経営者間における債権債務、株式の処理を行い、破産をせずに清算を完了した事例
- 経営者保証ガイドラインを活用した事例
- FC加盟店(全国小売チェーン)の清算の事例
- 早期に相談いただいたことで、会社の負債清算のみで再スタートできた事例
- 迅速な資料準備により早期の清算を実現し、再スタートを切れた事例
- 時間の経過した不動産を法的整理で処理した事例
- 共同創業した会社を早期廃業し、資産の目減りを解決した事例
- FC加盟店で創業したものの資金繰りが悪化し、清算し解決した事例
- 創業後、早いタイミングで事業清算し、個人資産への波及を防いだ事例
- 長らくの経営の悩み・負債の悩みを解決した事例
- 適切な廃業時期を選択し、解決した事例