融資受け入れ後に会社破産・再生を検討している方へ
会社破産・再生のタイミング
コロナ禍において、持続化給付金やセーフティネット保証4号・5号等によって当面の運転資金を確保できるケースがあります。
とはいえ、事業は縮小していて、どうすべきか、どういった段階で事業を清算すべきか、ご相談いただくケースが増えてきております。
基本的には、再生ができるか清算すべきか早期に見極める必要があります。
まずは再生する方向で検討し、それが難しい場合は清算する方向性となります。
また、再生にせよ、清算せよ、費用がかかるので、今回の給付金等は、ある意味、大きな決断のチャンスであると言えます。
再生できるかについてはこちらにも記載がありますが、基本的には以下の三点が目安となります。
①事業が黒字化できるか
②当面の資金繰りが持つか
③周りの理解が得られるか
この状況ですと、②については、少し時間的猶予があるものなので、残るは①黒字化できるか、③周りの理解です。
究極的には①の黒字化できるか、が大事な観点となります。現時点では黒字化できていなくても、窮境原因を取り除けば再生が見通せる場合には、それに向けて取り組み(いわゆるアクションプラン)を整理し、実行していきます。こちらのご支援も当事務所で行っております。
他方で再生が難しい場合は、手元資金があるうちに清算し、リスタートをした方がいい場合も数多くございます。
債務額や債権者数、対処事項等にもよりますが、経験的に、費用はおおむね100万円程度(概算)は要します。
仮に、資金が足りない場合は、手続きのために資金用意する必要がでてきてしまいます(知人からの支援を得るケースもありますが、それも難しい場合、自己の手元資金をストックしていき、工面していくことになりますが、たいへん負担がかかります)。手元資金があるうちに決断をすべきことも少なくありません。
当事務所では、どちらの方向にすべきかのご相談もお受けしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
破産にかかる費用
大きくは二つに分かれます。
1 弁護士費用等
一つ目は、裁判所に納める実費関係(申立手数料、予納郵便切手代、官報公告費等)
二つ目は、弁護士費用です。
前者については、地域ごとの裁判所によって異なりますが、標準的なルールとされている東京地裁の場合では、実費関係で約3万円程度となっています。
後者については、事業規模によりますが、50万円~100万円程度になります(目安となる料金表はこちら)。
2 財産の引継ぎ
別途考慮すべきものとして引継予納金というものがございます。
引継予納金というのは、清算のタイミングで現金化(現預金)されているものを差し、それを申し立ての弁護士事務所を通じて、破産管財人に引き継がれるものです。
基本的には、「あるまま」を引き継げばよいです。
それが基準額(東京地裁の場合20万円。他の裁判所でも最低額を20万円~25万円に設定されているケースが多いです)に満たない場合は、手続きが進められない場合があるので、必ずこの額については確保していただく必要があります。
望ましいのは、手元資金(会社の現預金)や売掛金の回収で確保できることが最も望ましく、負担が少ないです。
もしも、基準額を工面できない場合、基本的には、親族から支援いただくか、個人(社長)で立て替えるかのどちらかになることが多いです。