破産後の経営者の生活について
Q.会社が破産すると,経営者の生活はどうなりますか?
- 会社のことばかり気になりますが、当然、経営者の生活も気になるかと思います。
「倒産に際して社長が知っておくべき10箇条」もあわせてごらんください、。
破産後も、もちろん、仕事をすることができます。
むしろ、事業の精算は「リスタート」のために行うといって過言ではございません。
並行して生計を安定させ、日々の生活費(や老後の資金等)を確保していきましょう。
なお、就職活動の際には、破産の事実を伝える必要はなく、履歴書や経歴書等にも記載する必要はありませんので、ご安心ください。
収入形態という意味では、役員報酬(自営)、給与、年金生活等に区分されます。
経営者がその後にどのように仕事をしていくかにより、大きく分かれます。
(1)新会社等で経営する場合
新会社へ事業譲渡(*破産法を遵守して適切に行うことが前提です)し、新会社で事業を行うような場合、旧会社(破産会社)を退職し、新会社へ転籍することも少なくありません。
その際に、「従業員」となるのか「役員」(場合によっては代表者)になるかは、さまざまですが、「しばらくあまり目立ちたくない」ということで、「従業員」となり、親族や実務担当者が代表になるようなケースも多いです。
(2)経営者が会社に入る(勤務となる)場合
(1)でない場合、職を探す必要があります。
相手のある話ではありますが、従前の取引先等に再就職される方もいれば、全く別業種に就職する方もおられます(イメージ的には半々といったところでしょうか)。
(3)ポイント
どちらにせよ、旧会社の債務、過去の債務(社長自身も破産する場合)は破産手続によって処理されておりますので、返済に回さずに生活費や貯蓄に回すことが可能になります。
中には「久しぶりの貯金」とおっしゃって喜ばれる方も少なくありません。
*ちなみに
年金も問題なくもらえます。
破産開始決定後に発生する年金受給権は、新得財産として受給することができます。
自然人の破産手続開始決定後に、破産者が取得した財産のことを、「破産財団」と区別して「新得財産」といいます。
新得財産は自由財産なので、破産者は、新得財産については破産手続きに関わらず、自由に使うことができますし、破産開始決定時に存在する年金受給権は、「差し押さえることができない財産」ですので、破産財団に帰属せず受給することができます(破産法34条3項2号)。
ちなみに、生活保護を受けることも、生活保護受給の要件を満たせば可能です。
破産手続と生活保護は全くの別物であるため、破産手続きをしたので生活保護を受けることは出来ない、ということはありません。
もちろん生活保護を受けるには要件がありますが、破産手続きをしたことで要件を欠くことにはあたりません。
なお、生活保護を受けてから破産手続きを行うことも可能です。
法人及び代表者の破産手続きにより、今後の収入には不安が大きいかと思います。
その際には、生活保護の手続きを含め、一度弁護士に相談されてはいかがでしょうか。