破産後の従業員の生活について
Q.会社が破産すると,従業員の生活はどうなりますか?
A.経営者がその後にどのように事業展開をするかにより、大きく分かれます。
(1)新会社等で経営する場合
新会社へ事業譲渡(*破産法を遵守して適切に行うことが前提です)し、新会社で事業を行うような場合、旧会社(破産会社)を退職し、新会社へ転籍することも少なくありません。従前行っていた業務を行うような場合、従前の従業員がそのまま仕事をしてくれることは大変助かることです(このような意味からも、従業員の賃金未払いは避けるべきです)。
社保等の切り替え手続上も特に支障はございません。
(2)経営者が会社に入る(勤務となる)場合
(1)でない場合、当該従業員は従業員で、職を探す必要があります。
相手のある話ではありますが、従前の取引先等に経営者が就職するようなケースでは、懇意にしていた従業員もあわせて再就職するようなケースもあります。
(3)ポイント
上記のどちらになるにせよ、勤めていた会社が破産することは、再就職活動を余儀なくされるので、不安を持ちます。破産するにせよ、会社の発展のために尽力してくれていたわけですので、労いも重要です。
経営者としても、賃金、再就職先、(適切な)情報の共有等、可能な限り、ケアしてあげるべきといえます。
*未払い給料がある場合
破産する会社に支払う資金的余力が残っていれば,「法律が定める順位」にしたがって給与が支払われることになります。
概略のご説明という意味では、税金に準じるような保護と位置付けられてはいます。
ただし、財団(破産会社の資産)が乏しいことも少なくありません。
会社に支払う資金的余力が残っていなければ,独立行政法人労働者健康福祉機構による立替払制度の利用を検討することになります。
詳しくは
「Q.会社が破産すると,従業員の給与(未払)はどうなりますか?」
をご参照ください。