取引先への対応
会社の再建、清算にあたって、取引先対応は極めて重要な事項であり、慎重に対応することが必要です。
取引先対応が奏功し、会社再生がうまくいくこともあれば、逆に、再生の道が閉ざされることもあります。
大別して、仕入先、販売先の両面の取引先がありますが、仕入先は「支払してもらえるか」が取引の大前提となりますので、リスケをお願いせざるを得ないにしても、慎重に行う必要があります。
販売先についても、「潰れそうな会社とは取引をしない」という考えを持たれることも少なくなくありません。
会社再建にあたっては、各取引先を精査し、適切な対応をしていく必要があります。
なお、取引先は、会社再建の検討にあたって、M&A(株式譲渡や事業譲渡)の候補先や、場合によっては経営者様の転職先となるといった場合も少なくありません。
いずれにせよ、負債の処理がきちんと行えることがすべての前提となりますので、場当たりでない、一貫したプランに基づいて対応していく必要があります。
*債権者集会
破産や再生にあたって、債権者、そのなかでもとりわけ「取引先」対応を危惧している経営者の方は少なくありません。
顧客思いの経営者ほど、取引先に迷惑をかけた、という意識が強すぎることが往々にしてあります。
ただ、破産や再生の制度は、長年の歴史の中で国の制度として作り上げられ、運用されてきた合理的なインフラですし、会社も個人も好不況があるのは否めません。むしろ、今後、再生していくことが皆にとって何よりであると思います。
なお、債権者集会への出席を懸念する経営者の方も少なくありませんが、裁判所で行われ、かつ、弁護士も同席致しますので、ほとんどの場合、極めて穏やかに、かつ、短時間で終了しています。質疑等が全くなされない場合も少なくありませんし、弁護士が対応、フォローしますので、懸念は無用です。